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不動産オーナー

賃貸経営、どこまで経費にできるか(053)

賃貸経営をしていると「これは経費になるのか」と迷う支出が次々に出てきます。経費とは、家賃収入を得るために使ったお金のことです。落とせるものを落としていないと余計な税金を払うことになり、逆に、関係のない支出まで入れていると税務調査で指摘を受けることがあります。今回は、どこまでが経費になるのかを整理します。

1. 経費になるもの、ならないもの

判断の基準はひとつです。その支出が家賃収入を得るために必要だったと説明できるかどうか。説明できれば経費、できなければ経費になりません。

主な支出を整理すると、次のとおりです。

支出 取扱い
固定資産税・都市計画税 経費になる(賦課決定があった年)
借入金の返済 利息部分だけが経費。元本は経費にならない
火災保険料 その年に対応する部分だけ。数年分の一括払いは按分する
管理会社への管理費 経費になる
仲介手数料・入居者募集の広告費 経費になる
事業税 経費になる
印紙税・登録免許税・不動産取得税 経費になる(取得価額に算入することもできる)
所得税・住民税 経費にならない
自宅部分に対応する費用 経費にならない
交通反則金・罰金 経費にならない

2. 判断に迷いやすい3つの項目

(1)自宅兼事務所の家事按分

自宅の一室を賃貸経営の事務作業に使っている場合、家賃・水道光熱費・通信費のうち、仕事に使った分だけを経費にできます。この、仕事の分と生活の分に分けることを按分といいます。

分け方は2つあります。広さで分けるなら、たとえば70平方メートルの自宅のうち14平方メートルが仕事部屋なら2割。時間で分けるなら、1日のうち何時間その部屋で仕事をしたかで決めます。どちらの場合も、間取り図や使用状況のメモなど、その割合にした理由を示せるものを残しておいてください。根拠を示せないまま「なんとなく5割」としていると、税務調査で指摘を受ける可能性がありますので、十分にご注意ください。

(2)車両費

物件の見回りや管理会社との打合せに使う車も、仕事で使った分だけ経費にできます。年間1万キロ走って、そのうち3千キロが物件がらみなら3割です。日付・行き先・走った距離を書いたメモを残しておくと、説明が楽になります。

(3)物件視察の旅費

購入を検討している物件を見に行く費用は経費になります。ただし観光を兼ねている場合は、物件を見た分だけです。どこへ行って何を見たのかが分かる行程表を残してください。

3. 記録の残し方が結論を分ける

経費かどうかは、領収書に書かれた名目ではなく、実際に何に使ったかで決まります。そして、それを説明するのは税務署ではなく、こちら側です。領収書だけでは何のための支出か分かりませんので、次の3つを習慣にしておくと安心です。

・ 領収書の裏や余白に、目的・相手先・物件名を書いておく

・ 按分したものは、その割合にした理由が分かる資料を一緒に保管する

・ 現金払いを減らし、通帳やカードに記録が残る形にする

まとめ

不動産所得の経費は範囲が広い分、迷う場面も多くなります。落とせるものは落とし、説明できない支出は入れない。この線引きを毎年積み上げておくことが、結局いちばん負担の少ないやり方です。

経費の線引きは、物件ごとの事情でも変わってきます。日々の支出の取扱いで迷われたときは、アマヤ・パートナーズ税理士法人まで個別にご相談ください。

(参考:所得税法第37条、所得税基本通達45-2)

経費になるもの、ならないもの

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