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税務お役立ち

なぜ利益が出ているのに会社にお金が残らないのか?(046)

「利益」と「現金」は別物です

決算書では黒字なのに、通帳を見ると資金が減っている——こうした状況に悩む経営者は少なくありません。実は、会計上の「利益」と手元に残る「現金」は一致しないのが当たり前です。今回は、利益が出ているのにお金が残らない主な原因と、その対策を整理します。

1. 利益と現金がズレゃ3つの原因

原因 内容
借入金の返済 借入金の元本返済は経費にならないが、現金は減る。利益が出ていても返済額が多ければ手元資金は減少する
減価償却費 設備投資の購入時に現金は出ていくが、経費になるのは耐用年数に応じた減価償却費のみ。購入年に大きく現金が減る
売掛金・在庫の増加 売上が増えても入金が先になると現金は増えない。在庫を抱えていれば、仕入代金だけが先に出ていく

特に影響が大きいのが借入金の返済です。たとえば、年間利益が500万円でも、借入金の元本返済が年間600万円あれば、税金の支払いも含めると手元資金はマイナスになります。返済は経費にならないため、損益計算書には現れませんが、現金は確実に減っていきます。

さらに、利益が出れば法人税・消費税・住民税の支払いも発生します。税金は利益の約30%前後になることも多く、利益から税金と借入金の返済を差し引くと、思ったほど現金が残らないという結果になります。このギャップを把握せずに「利益が出ているから大丈夫」と考えてしまうのが、資金ショートの一番の原因です。

2. 「お金が残る経営」のために意識すること

利益と現金のズレを把握するために、損益計算書だけでなく資金繰り表を作成することが有効です。具体的には以下のポイントを意識してみてください。

借入金の返済額を毎月把握する:返済が利益を上回っていないかを確認する

売掛金の回収サイトを短くする:請求から入金までの期間を短縮し、現金の回転を早める

在庫を必要以上に抱えない:仕入れた商品が売れるまでの間、現金は在庫に変わっている

設備投資は計画的に行う:減価償却と資金繰りの両面からタイミングを検討する

利益を出すことと、手元に現金を残すことは別の課題です。どちらも経営にとって重要ですが、資金繰りを疎かにすると、黒字でも資金ショートを起こす危険があります。金融機関に対しても、損益計算書の利益だけでなく、資金繰りの管理ができていることを示すことで、融資審査において高い評価を得ることができます。月次で資金繰り表を作成し、少なくとも3か月先までの入出金を見通しておくことで、資金不足を事前に察知できます。

まとめ

「利益=現金」ではないという点を理解し、損益計算書だけでなく資金繰りにも目を向けることが大切です。特に借入金の返済額と利益のバランスは定期的に確認しておきましょう。「利益が出ているのにお金がない」と感じたら、まずは損益計算書とキャッシュフローのどこにギャップがあるのかを確認することが第一歩です。

特に、毎月の借入金返済額が月商の何%を占めているかを把握しておくことが重要です。一般的に、月商の30%を超える返済額は資金繰りを圧迫する水準とされています。返済比率が高すぎる場合は、借入条件の見直しやリスケジュールの検討も選択肢に入れてみてください。

以上は概要となりますので、資金繰りの改善や借入金の見直しについては、アマヤ・パートナーズ税理士法人まで個別にご相談ください。

黒字なのにお金が残らない