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親から子へお金を渡すとき、贈与税はかかるか(044)

— 110万円の基礎控除と名義預金に注意 —

子や孫に財産を渡しておきたいと考える方は多いですが、渡し方を間違えると思わぬ贈与税がかかったり、相続のときに「名義預金」として否認されるリスクがあります。今回は、贈与税の基本的な仕組みと、トラブルを防ぐためのポイントを整理します。

1. 贈与税の基本 — 年間110万円までは非課税

贈与税は、個人から財産をもらった場合にかかる税金です。暦年課税(通常の贈与)では、1年間に受け取った金額の合計が110万円以下であれば、贈与税はかかりません(基礎控除)。110万円を超えた部分に対して、金額に応じて10%〜55%の税率で課税されます。

たとえば、親から子へ年間200万円を贈与した場合、110万円を差し引いた90万円に対して贈与税がかかります。毎年110万円以内で計画的に贈与を行えば、贈与税の負担なく財産を移転していくことが可能です。

なお、まとまった金額を一度に渡したい場合には「相続時精算課税制度」という選択肢もあります。60歳以上の親から18歳以上の子・孫への贈与について、累計2,500万円まで贈与税がかからない制度です。ただし、この制度を選択すると暦年贈与(110万円の基礎控除)には戻れなくなるため、慎重に検討する必要があります。2024年以降は、相続時精算課税にも年間110万円の基礎控除が新設されています。

2. 贈与契約書を作成しておくべき理由

贈与は口頭でも成立しますが、贈与契約書を作成しておくことを強くおすすめします。贈与契約書がないと、税務調査で「本当に贈与があったのか」を証明できず、名義預金と判断されるリスクがあるためです。

贈与契約書には、贈与する人・受け取る人の氏名、贈与の金額、贈与の日付を記載し、双方が署名・押印します。毎年の贈与であっても、その都度作成しておくことが大切です。

3. 「名義預金」と判断されないために

名義預金とは、口座の名義は子や孫であっても、実際の管理・使用を親が行っている預金のことです。名義預金と判断されると、贈与が成立していないとみなされ、相続時に親の財産として相続税の対象になります。

税務調査では、名義預金は重点的に確認されるポイントです。否認されないためには、以下の対策が有効です。

・ 贈与契約書を毎年作成する

・ 受け取った本人が通帳・印鑑を管理する

・ 受け取った本人が実際にそのお金を使える状態にしておく

・ 振込で贈与し、送金の記録を残す

形式だけ整えても実態が伴っていなければ否認されますので、「渡したお金は相手のもの」という状態を作ることがポイントです。特に、子や孫が未成年のうちから贈与を始める場合は、親権者が管理しているとみなされやすいため、成人後に本人へ引き渡す段取りも考えておきましょう。

まとめ

親から子への贈与は、年間110万円までの基礎控除を活用することで、贈与税の負担なく計画的に財産を移転できる有効な方法です。ただし、贈与契約書の作成や名義預金と判断されないための対策を怠ると、せっかくの贈与が否認されてしまうこともあります。暦年贈与と相続時精算課税制度のどちらが有利かは、ご家族の状況によって異なります。

以上は概要となりますので、贈与のご計画や相続対策については、アマヤ・パートナーズ税理士法人まで個別にご相談ください。

(参考:相続税法第21条の5、国税庁タックスアンサー No.4408「贈与税の計算と税率」)

親子間の送金と贈与税

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