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役員退職金は「どこまで払っていいのか」(007)

役員退職金は「どこまで払っていいのか」

長年会社に尽くしてくれた社長や役員に、退職金をしっかり支給したいと考えるのは当然のことです。しかし税務上は、「不相当に高額」と判断されると会社の経費として認められず、思わぬ税負担につながることがあります。今回は、役員退職金の適正額を考える上で最も重要な「功績倍率」を中心に、ポイントを整理します。

1. 退職金の計算式 —「最終報酬 × 在任年数 × 功績倍率」

役員退職金の適正額を判断する際、税務の実務で広く使われているのが次の計算式です。

退職金 = 最終月額報酬 × 在任年数 × 功績倍率

この「功績倍率」が退職金額を大きく左右するポイントです。功績倍率の一般的な目安は次のとおりです。

役職 功績倍率の目安
代表取締役(社長) 2.0〜3.0倍程度
取締役 1.2〜2.0倍程度
監査役 1.0〜1.6倍程度

※上記はあくまで一般的な目安です。同業・同規模の他社との比較で「過大」と判断されるケースもあります。

たとえば、最終月額報酬100万円、在任20年、功績倍率3.0であれば、退職金の適正額は6,000万円となります。功績倍率を理解しておくことで、将来の退職金を計画的に準備しやすくなります。

2. 税務調査で見られるポイント —「本当に貢献があったか」

功績倍率を決める際、税務署は形式的な肩書きだけでなく、実質的な貢献の度合いを総合的に判断します。具体的には、会社の発展にどの程度寄与したか、事業規模の拡大や利益改善など数字に表れる成果があるか、経営上の重要な意思決定を担っていたか、といった点が見られます。

長年会社を支えてきたオーナー社長であれば、目安より高めの倍率でも正当性が認められるケースがあります。一方、同族会社で実態の伴わない役員に高額の退職金を支給した場合には、損金不算入として否認される可能性が高まります。

税務調査に備えて、定款・株主総会議事録・役員退職金規程・業務実績の記録などの資料を整えておくことが大切です。功績倍率の妥当性を説明できる資料があれば、調査にもスムーズに対応できます。

まとめ

役員退職金は、「最終報酬 × 在任年数 × 功績倍率」で計算するのが実務上の基本です。功績倍率の設定にあたっては、役員の実質的な貢献度と、それを裏付ける資料の整備がポイントとなります。計画的に準備しておくことで、退職時にスムーズな支給が可能になります。

役員退職金の設定についてご不明な点がありましたら、アマヤ・パートナーズ税理士法人までお気軽にお問い合わせください。

(根拠条文:法人税法第34条第2項、法人税法施行令第70条第2号、法人税基本通達9-2-27の3・9-2-28・9-2-32)

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