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法人一般

下請法 主な改正ポイント(202)

 2025年5月、下請代金支払遅延等防止法(以下、下請法)が改正され2026年1月1日より施行されることになりました。

 今回の改正は、従来の制度にあった“抜け道”を塞ぎ、中小の受託企業が不利益を被らないよう取引の透明性を高めることが目的です。

 本記事では、下請法の主な改正ポイントをわかりやすくご紹介いたします。自社の取引が法令に適合しているかを確認するうえで、ぜひお役立てください。

1. 従業員基準の追加

 これまで下請法が適用されるかどうかは、「資本金の大小」と「業務委託の内容」によって判断されていましたが、今回の改正により、新たに「従業員数の基準」が追加されました。

●委託側企業:従業員数300人超
●受託側企業:従業員数300人以下(個人事業主も含む)

 つまり資本金が小さい会社でも、従業員数が多ければ親事業者とみなされ、下請法の適用対象になる可能性があります。

 会社法の柔軟化により、形式上の資本金が少ない大企業や、逆に資本金を意図的に減らして下請法の適用を逃れる企業が出てきました。今回の改正は、こうしたケースを防ぎ、実態に即した保護を実現するためのものです。

2. 主な禁止事項

(1)協議なき価格決定の禁止

 委託企業が、中小受託企業との間で「適切な価格交渉を行うこと」が法的に義務化されます。したがって、価格の決定にあたっては、受託企業から協議の申し出があった際に、誠実に交渉に応じる必要があります。

 今後は、こうした協議の機会を無視したり、「説明をしない」「交渉に一切応じない」といった対応を取ると、下請法違反として扱われることになります。

(2)手形払等の禁止

 今回の改正により、「手形払い」が原則として禁止されることになりました。

 手形払いは、代金回収に時間がかかり、不渡りのリスクもあるなど、下請事業者にとって大きな負担となっていました。また、「電子記録債権」や「ファクタリング」といった方法についても、手数料が高かったり、満額での回収が難しかったりするケースがあります。

 こうした支払い方法は、下請事業者の資金繰りを圧迫するおそれがあるため、今回の改正では、実質的に即時・満額で代金回収ができないような支払い手段について、使用が制限されることになります。

3. 違反事例

 下請法は単なる形式的な法律ではなく、実効性のあるルールです。すでに実際に大手企業でも違反と認定された事例が出ています。

(1)王子ネピア株式会社(製品受領の拒否)令和6年2月

 王子ネピアは、下請事業者に発注したマスクの一部を一方的に取り消し、損害を与えたとして、公正取引委員会より、損害額の支払い、社内体制の整備、関係者への周知、再発防止策の実施などを公取委へ報告するよう勧告されました。

(2)日産自動車株式会社(割戻金の不当請求)令和6年3月

 日産自動車は、自社のコスト削減を目的に、割戻金の名目で不当に30億円を減額したとして、公正取引委員会は、全額返還、再発防止策の実施、社内体制の整備等の勧告を行いました。

 上記の事例は、規模の大小にかかわらず、不適正な取引を行えば厳しい対応が取られます。

 委託側でも受託側でも、自社の取引慣行に違反のリスクがないか、今一度確認するのが重要です。

4. まとめ

 今回の下請法改正により、中小企業にとっても「交渉の余地」や「保護の対象」が広がることになります。これを機に、自社の支払い方法や取引先との契約条件、従業員数の基準などを再確認してみてはいかがでしょうか。

 アマヤ・パートナーズ税理士法人では、税務だけでなく法改正に関する実務面のご相談も承っております。ご不明な点がありましたら、お気軽にご連絡ください。

下請法 主な改正ポイント

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