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AP通信

インボイス制度改正と見直しのポイント

 インボイス制度はすでにスタートしていますが、2026年10月に重要な改正が予定されています。特に免税事業者への支払いが多い事業者や、2割特例を活用していた小規模事業者にとっては、気づかないうちに税負担が増えてしまう可能性があります。今回は、改正のポイントと今からできる対策についてご説明いたします。

1.2026 年秋 改正のポイント

(1) 免税事業者への支払いがある場合の改正

 インボイス制度では、仕入税額控除を受けるために「適格請求書(インボイス)」が必要です。免税事業者はインボイスを発行できないため、登録番号(T番号)のない事業者への支払いについては、本来、消費税の控除ができません。
 ただし現在は経過措置として、免税事業者への支払いであっても消費税額の80%は控除が認められています。たとえば、T番号のない外注先に110万円(税込)を支払った場合、本来であれば消費税10万円の全額が控除できませんが、現在は特例的に80%(8 万円)を控除することができます。
 2026年10月からは、この控除割合が70%に引き下げられます。同じ取引でも控除できる額が減り、実質的な税負担増加につながります。今後も段階的に縮小される予定です。

(2) 免税事業者(受け取り側)の改正 ― 2 割特例の終了と3 割特例

 2割特例とは、インボイス制度を機に免税事業者から課税事業者になった個人事業主や小規模法人を対象に、売上にかかる消費税の2 割だけを納税すればよいとする特例です。たとえば、一人親方の外注先や、フリーランスのデザイナーなど、御社の取引先にもこの特例を利用されている方がいらっしゃるかもしれません。

 この2 割特例は2026年9月をもって終了しますが、代わりに3割特例(売上にかかる消費税の3割を納税)が新設されます。対象となるのは、一人親方やフリーランスなど、インボイス登録を機に課税事業者になった個人事業者で、基準期間の課税売上高が1,000万円以下の方です(法人は対象外)。適用期間は令和9年分・令和10年分(2027年・2028年)の2年間です。

2.今からできる対策

(1) 支払側の対策 ― 取引先の確認

 仕入先や外注先がインボイス登録事業者であるか確認をしましょう。インボイス未登録の取引先が多いほど、改正後の控除縮小による影響は大きくなります。場合によっては「価格の見直し」や「インボイス登録の依頼」など、自社の状況に応じた対応が必要です。
 まずは、未登録の取引先がどれくらいあるのか、取引金額はどの程度かを整理するところから始めると、影響額の見通しが立てやすくなります。

(2) 受け取り側(小規模事業者)の対策 ― 課税方法の見直し

 免税事業者への支払いが多い場合や2割特例を利用していた事業者については、簡易課税方式を利用することで税額を抑えられる可能性があります。
 簡易課税は業種ごとに定められた「みなし仕入率」で計算するため、実際の仕入税額を一つひとつ集計する手間が省けるメリットもあります。ただし、課税方式を変更する場合には事前の届出が必要になりますので、早めの検討が大切です。
 なお、2割特例や3割特例を利用していた事業者が、翌課税期間から簡易課税に移行する場合は、届出の提出期限が緩和される特例もあります。

3.まとめ

 2026年10月の改正により、経過措置の控除割合が縮小され、2割特例も終了します。控除割合は今後も70%→50%→30%と段階的に引き下げられ、最終的には控除がなくなります。免税事業者への支払いが多い場合は控除縮小の影響が大きくなりますので、改正前のこのタイミングで取引先の状況や課税方式を見直しておくことをおすすめします。
 上記はインボイス制度の改正の概要です。実際にはさらに細かな規定がございますので、詳細については弊社担当者までお気軽にご相談ください。