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法人一般

社長にもボーナスを支給できる?(037)

— 事前確定届出給与の仕組みと注意点 —

従業員にはボーナスを支給しているのに、社長には支給できない——そう思っている方も多いのではないでしょうか。実は、「事前確定届出給与」という制度を使えば、役員にも賞与を支給し、会社の経費にすることができます。ただし、届出どおりに支給しないと全額が経費にならないという厳しいルールがあるため、注意が必要です。

1. 事前確定届出給与とは

事前確定届出給与とは、役員に対して「いつ・いくら支給するか」をあらかじめ税務署に届け出たうえで、届出どおりに支給する給与のことです。届出どおりに支給すれば、全額を会社の経費(損金)に算入できます。

通常、役員報酬は毎月同額でなければ経費にならない「定期同額給与」のルールがありますが、事前確定届出給与を使えば、定期同額給与とは別に、ボーナスのような一時金を経費にすることが可能になります。

この制度を活用すれば、たとえば毎月の役員報酬に加えて、年2回・各100万円のボーナスを支給し、合計800万円を全額経費にすることができます。役員報酬の総額を調整する手段としても有効です。

2. 届出の期限と手続き

届出書の提出期限は、以下のいずれか早い日です。

・ 株主総会等の決議をした日から1か月を経過する日

・ 事業年度開始の日から4か月を経過する日

たとえば3月決算法人で5月末に株主総会を開催した場合、届出期限は6月末になります。届出書には、支給日と支給額を具体的に記載します(例:7月10日に100万円、12月10日に100万円)。

3. 届出どおりに支給しないと全額が経費にならない

事前確定届出給与で最も注意すべき点は、届出どおりの日に届出どおりの金額を支給しなければ、支給した全額が損金不算入になるということです。このルールが設けられているのは、業績に応じて支給したりしなかったりできてしまうと、利益を自由に調整して法人税の納税額を操作できてしまうためです。

たとえば、「7月に100万円、12月に100万円」と届け出た場合に、7月は届出どおり100万円を支給したものの、業績悪化により12月は支給しなかったとします。この場合、12月分だけでなく、7月に支給した100万円も含めて全額が経費として認められません。

金額を変更する場合や支給を取りやめる場合も同様です。届出と1円でも異なる金額を支給すると、全額が損金不算入となります。

なお、届出どおりに支給できなかった場合でも、届出書自体を取り下げることはできません。業績が不透明な場合は、確実に支給できる金額で届け出ておき、定期同額給与(毎月の役員報酬)とのバランスを考えて設計することが大切です。たとえば、毎月の役員報酬を抑えめに設定し、事前確定届出給与で年2回まとまった金額を支給する方法もあります。いずれにしても、あらかじめ支払金額を確定させておく必要があるという点がポイントです。

まとめ

事前確定届出給与は、役員にもボーナスを支給して経費にできる有効な制度です。ただし、届出期限を守ること、届出どおりの日に届出どおりの金額を支給することが絶対条件です。届出と異なる支給を行うと、その期に支給した事前確定届出給与の全額が損金不算入となり、会社にとって大きな負担になります。業績の変動が読みにくい場合は、無理のない金額で届け出ることをおすすめします。

事前確定届出給与の届出や役員報酬の設計についてご相談がありましたら、アマヤ・パートナーズ税理士法人までお気軽にお問い合わせください。

(参考:法人税法第34条第1項第2号、法人税法施行令第69条)

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