経営者にとって、将来会社を引退する際、自分の事業を誰にどのように引き継ぐかは重要なテーマです。事業承継には「親族内」「社内」「M&A」の方法があり、これまでは親族内承継が一般的でした。
昨今、後継者不在などで事業承継が難しくなる中、企業統合によって次世代に事業を引き継ぐ「M&A」が注目されています。今回は「M&A」を活用した事業承継についてご紹介いたします。
1. M&Aを活用した事業承継とは
中小企業が「M&A」により事業を承継する場合は、株式を後継者に譲り渡すことが一般的です。
この場合、会社のオーナーは代わるものの、会社名、従業員との雇用関係や取引先・金融機関との契約関係などは変更する必要がないため、承継後も円滑に事業を継続しやすいのが特徴です。
2. 譲渡価格の算定方法
「M&A」における売り手の「譲渡価格」は、資産や負債、収益やキャッシュフロー、市場価値などを基準に様々な方法により計算されます。
最も代表的な手法である「コストアプローチ」は、純資産をもとにするため客観性に優れ、中小企業の「M&A」では一般的な算定方法です。
具体的には、譲渡企業の資産・負債を時価換算し、換算した資産合計から負債合計を引いた「時価純資産」に、「のれん代(経常利益の1年~3年分など)」を加味して「譲渡価格」を計算します。
例)コストアプローチによる売上高5億円企業の譲渡価格
| 時価純資産 | + | のれん代 | = | 譲渡価格 |
| 1億6千万円 | 6千万円 | 2億2千万円 | ||
| 簿価純資産 2億円 保険の解約返戻 1千万円 土地の含み損 ▲3千万円 退職給付金未計上 ▲2千万円 |
経常利益3千万円×2年分 |
3. M&Aによる事業承継のメリット・デメリット
(1)メリット
①広く候補者を外部に求めることができる
「子供は、別の仕事についていて継ぐ意思がない」「社内に後継者候補がいない」といった場合でも、複数の買い手企業から手が挙がる可能性があり、事業継続はもちろん、事業の統合がもたらす相乗効果で会社のさらなる発展を期待することができます。
②引退後の生活資金を確保することができる
「M&A」によって株式を売却する場合には、その売却代金を現経営者の引退後の生活資金に充てることができます。
③社名を守ることができる
「M&A」の様々な手法のうち、株式譲渡であれば、自分が育ててきた会社の社名をそのまま残して事業を継続させることができます。
(2)デメリット
希望の条件を満たす買い手を見つけるのが困難な場合がある
「M&A」は相手の選定や買収条件の交渉などで時間がかかり、専門の仲介会社やアドバイザーへの費用もかかります。希望の条件を満たす相手探しが難航するケースもあります。
4. まとめ
「M&A」による事業承継は年々増加しており、重要な社会資源を未来につなぐ有益な手段として認知されつつあります。弊社より「M&A」の仲介会社やプラットフォームのご紹介をすることも可能ですので、詳細についてご興味がある方は、是非お問い合わせください。
「M&A」を活用した事業承継
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