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法人一般

AI導入で変わる「税務調査」(200)

 国税庁が発表した最新の統計によると、2024年6月までの1年間に行われた所得税の税務調査で、全国の申告漏れ件数は約31万件、申告漏れ所得の総額は9964億円に上りました。その結果、追徴課税額は1398億円となり、過去最高を記録しました。

 注目すべきは、税務調査の件数は前年より3万件以上減少しているにもかかわらず、追徴税額は増加している点です。この背景には、国税庁が本格導入した人工知能(AI)の活用があります。今回はAI導入で変わる税務調査についてご紹介します。

1. AI活用による税務調査の変化

 近年、税務調査の対象を選定する際にAIが活用されています。AIは、過去の申告内容を分析・学習し、不自然な点や申告漏れの可能性が高い法人を見つけ出します。国税庁は2023年から本格的にAIを導入し、過去の申告データや調査結果をもとに申告漏れのリスクが高い納税者を優先的に調査する仕組みを取り入れました。

 また、税務調査の方法も変化しています。従来の電話や書類送付による簡易調査は減少し、対面での訪問調査が増加しています。AIにより調査対象法人の選定精度を向上させた上で、重点的な調査を実施し、その結果が追徴税額の増加につながったとされています。

2. 調査対象となる決算書のポイント

 どのような決算書がAIのリスク判定で注目されやすいのでしょうか。特に決算書が以下に挙げる場合には、税務調査の対象となる可能性が高まります。

(1)売上や利益に関する不自然な変動

■過去3〜5年の間に売上が急激に上昇している

 急成長の背景を調査するため、税務調査の対象となる可能性があります。

■売上が増加しているにもかかわらず、利益が少ない

 法人税の納税額を意図的に抑えていると疑われ、調査対象になることがあります。

■同業他社と比較して利益率が低い

 申告ミスや意図的な利益圧縮の可能性を疑われることがあります。

(2)経費の計上に関するリスク

■交際費や消耗品費の計上が多い

 個人的支出や資産計上すべき支出を経費として計上している可能性が疑われます。

■貸倒損失・退職金などの特別損失を計上している

 通常発生しない特別損失があると、内容の正当性を確認するために調査が入る可能性があります。

3. 調査対策としてすべきこと

 税務調査は、申告内容にミスや不正がないかを確認するために行われます。AIは過去の申告データを学習し異常値を検出するため、不自然な会計処理はより疑われやすくなります。

 一般的な税務調査は任意で行われますが、納税者には「受忍義務」というものがあり実質的に拒否することはできません。そのため、調査に備えるには、以下の点を中心に日頃から適切な会計処理を行い、証拠書類をしっかりと保管しておくことが重要です。

■ 取引の経緯や根拠を明確にし、帳簿や証憑を適切に保管する
■ 売上や利益の変動がある場合、その背景や原因の説明資料を準備する
■ 経費の計上ルールを明確にし、証拠書類とともに保管する

4. まとめ

 国税庁のAI導入により、税務調査はより精度が高まり、申告漏れの指摘件数が増加していますので、正確な帳簿管理と適切な申告がますます重要になるでしょう。

 アマヤ・パートナーズ税理士法人では、これまでの300件以上の調査実績を活かし、経験豊富な税理士と元国税局OB税理士が連携し、事前準備から実地調査立会い、その後の調査官との折衝、調査終結まで一貫してサポートいたします。

 税務調査に関して不安なことや疑問がありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。

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